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参院選後に岸田政権が目指すもの
2022.7.16
古賀攻 氏
毎日新聞社 元論説委員長
1958年佐賀県生まれ。83年毎日新聞社入社。政治部で村山政権から小泉政権までを担当。政治部長、編集編成局次長、論説委員長をへて、2019年から専門編集委員。朝刊2面コラム「水説」を執筆中。
参議院選挙大勝の自民党
今回の参議院選挙は自民党が大勝し、改選数55人から当選者は63人と増えました。ほかにも増えた政党は、維新、れいわ、NHK党、参政党です。特に、維新の伸びが大きく見られました。反対に改選数より減った政党は、立憲、共産党、国民民主で、総じて、旧民主党系のリベラル勢力および左の勢力である共産党、社会民主党も含めて低迷しました。
衆議院よりなじみの薄い参議院は、選挙区も広く、衆議院ほど著名人が出馬しないため、どういう人物なのかを吟味するのに手間暇がかかります。あくまで衆議院と比べての話ですが、どうしても手間暇かけてまで選ぶのが面倒になる人が多くなり、機会費用が高いからと棄権する人や、タレントやスポーツ選手などの有名人に票を入れる人が増えます。その結果として参議院は、人物に対する評価以上に、何となく投票したという割合が高くなり、事前の想定よりも議席が与党から野党へ、反対に野党から与党へ動くことがあります。これが参議院選挙の歴史的な特徴です。
1989年の参議院選挙では、リクルートと消費税の問題が参議院選挙を直撃し、衆議院選挙ではほとんど相手にされなかった社会党が、自民党を遥かに上回ったことで、ねじれが起きました。衆議院の場合、総理の方針に衆議院の過半数が反対を示せば、総理大臣はそれに対して解散権を行使し、議会をもう一度やり直すことができますが、参議院の解散権を総理大臣は持っていないため、ねじれが生じてしまうと解消はとても難しいのです。
政権選択がメインの衆議院選挙で大勝したとしても、参議院とのねじれがある限り順調な政権運営につながらないことを、自民党は経験しています。そのため、支持率の高い岸田さんでも、参議院選挙前には安全運転に徹して政権運営をしてきました。何もやらないから支持率が高いのだと批判もありましたが、それは本人なりの用心だったのだと思います。
年代別支持率から見る、自民党支持層の変化
新聞社の世論調査では内閣支持率が出ており、年代別の割合も調べています。年代別の分析結果は紙面に出ませんが、その実態には特徴があります。安倍内閣の支持率の年代別の傾向は、若い人ほど支持が高く年配の人ほど支持が低い、若高老低で、菅さんも同様の傾向でした。以前の自民党は、年代が高くなればなるほど支持も高くなるという傾向を持っていましたが、安倍政権時代に若高老低に変わったのです。
岸田政権発足時、2021年10月の支持率は、やはり若高老低の傾向を持っていました。しかし2022年1月ころから、若い人と年配の人の支持率が同程度になってきたのです。そして2022年6月、参議院選挙の前には、若い人ほど支持が低く、年配の人ほど支持が高くなり、反転しました。年代別の支持構造が大きく変わったのです。
与野党の比例代表の票の推移
政党の勢いを見るには比例代表が分かりやすいため、票の推移を毎回確認しています。与党第一党である自民党は、2,000万票の手前で安定していますが、野党第一党である立憲民主党の比例代表はどのように票が推移しているのでしょうか。
2017年の総選挙では、民進党が野党第一党でしたが、直前に小池百合子さんが希望の党を立ち上げたため、民進党が割れて希望の党に合流していくと思われました。しかし、小池さんが安保法制反対の人を排除したため、行き場を失った人たちは立憲民主党を新しく作り、1,100万票ほど取ったのです。自民党との差はかなりありますが、希望の党の比例票が800万票近くあったため、非自民の、どちらかと言うとリベラル系の票の合計は、ほぼ自民党と匹敵するほどでした。
2019年の参議院選挙では、立憲は1,100万から700万台に落としましたが、自民党はそれほど変わりませんでした。
2021年の総選挙では、投票率が少し伸びたため自民党も票を伸ばしました。立憲も2017年の総選挙と同等の伸びがありましたが、希望の党を吸収してないという意味で、相対としては落ちています。
さらに今回の参議院選挙では、600万台にまで落ちました。2021年の総選挙と比べ、立憲は約470万票落としています。比例代表の落ち方としては、特別な落ち方をしていると言えるでしょう。
新しい資本主義政策
岸田政権には多くの政策課題があり、その1つ1つが重量級です。安倍政権よりも、よほど国難のレベルは高いと思います。岸田さんの最重要課題は、新しい資本主義の肉づけです。2021年8月末の自民党総裁選への出馬会見で、彼が一番力点を置いた本人の看板政策でしたが、その実態がよく分からないまま今日まで来ています。これは、アベノミクスに象徴されるような成長重視ではなく、社会の中間層を厚くするという新しい資本主義で、富裕層と困窮層との間にある、普通の家庭をみんなが持てるような社会にするということです。
この新しい資本主義で重視されているのは分配であり、賃上げでした。現在の社会構造は非正規社員が多く、正社員で一生を終えられる人は恵まれており、40代、50代になっても年収が200万円に届かない人たちが多くいます。この人たちがそのまま老後を迎えると社会保障も厳しくなるため、早めに生活基盤を安定させなくてはなりません。そのためには、雇用形態の問題解決と賃上げが必要だという考え方です。
もう1つ、彼は富裕層に富が集中していることを是正するため、金融所得課税について言及しました。これは、株で利益を得た人たちに、現在よりも多く税金を課すということですが、この話が出ると株式市場がすぐさま反応し、株価が下落しました。岸田ショックとも言われ、金融所得課税は早々に取り下げられたようです。
分配という考え方は、経済界のある種の考え方の人たちは社会主義の政策だと考えるようです。また安倍さんのように成長重視の人たちも、左翼の政策だと非難します。いずれにしても、生み出された富の配分に政府が関与することに反対する人たちが多く、分配政策も中途半端になりました。
そして2022年5月には、所得倍増、令和版所得倍増を、令和版資産倍増という言葉に変えました。日本は欧米と比べて貯金率が高く、国民の預金は2,000兆円もあります。これを株式に投資し資産を増やすことで、国民生活も豊かになるということでしたが、そもそも株を持っていない人はどうするのかという根本的なところが解消されておらず、株により国民全体の生活を豊かにするというのは、難しいでしょう。
感染症の危機に備えて
現在、コロナ対策の主体は厚労省、国立病院の所管は文部科学省、感染症の連絡室は内閣府にあるため、総理大臣が一元的に指示を出せない状態です。そのため、感染症危機管理庁の創設が考えられています。
また、アメリカのCDCの日本版創設についても検討されています。研究組織である国立感染研と、コロナウイルスの臨床的データを把握している国立国際医療センターを統合し、日本版CDCを創設する計画です。
物価高・円安・安全保障が絡み合う現況
この2年以上、コロナで世界経済が痛めつけられ、少し立ち直れるかと思うと、ウクライナ侵攻が始まり、それによって原油や天然ガスが高騰し、さらに安全保障の問題が出てきたのです。また、アベミクス以来、金融緩和により金利をゼロに張りつけているため、アメリカとの金利差は益々広がっていき、ここまでの極端な円安を生み出しているのです。
円安が生み出されたところで、2022年2月にウクライナ侵攻が始まり、従来のグローバル経済がシャットダウンされました。ロシアに関わる様々な取引や企業進出が、すべてなくなったのです。それとともに、制裁としてロシアからエネルギーを購入しないとなると、供給が減り値段は上昇します。それが、日本においてはガソリン代や電気代の値上げにつながっているのです。
政府は、ガソリンの元売りに補助を出し、小麦の値段についても公的資金で上乗せし、最終的な流通段階で値段が高騰しないよう対策を取っています。しかし、これらの対策も税金で行っているため、税金が枯渇するとどうなるのか、増税するのかという話になり、これらの対策はとても難しいのです。経済とは、やはり需要と供給の関係で決まるため、公的にグリップを効かせて対応するには限界があると思います。
脱炭素と燃料不足の両立
二酸化炭素の増加により地球温暖化が進むことは明らかであり、従来では最優先課題でしたが、ウクライナ侵攻が起こり、この局面が変化しました。特に脱原発を掲げてきたドイツは、ロシアから天然ガスが入手できなくなり、火力発電に頼るか、ロシア以外の国から天然ガスを輸入しなくてはならなくなったため、カーボンニュートラルと脱原発を進めるという政策が、両立できなくなったのです。
日本では、東日本大震災での事故後に原発を動かせなくなりましたが、太陽光や風力発電はなかなか増えていません。そのような状況下で、石油や天然ガスの料金が上がり、電気代高騰に直結しています。そのため、安く電気が作れる石炭火力を少し増やそうかという話に、どうしてもなってしまうのです。
ウクライナの問題とカーボンニュートラルの問題は二律背反の関係で、なかなか同時に進めにくいため、順番をつけ、双方ともソフトランディングしなくてはならないでしょう。
安全保障政策と防衛費
安全保障とは、外交と防衛を組み合わせ、いかに国家のセキュリティを守るかということです。安倍さんは、国家安全保障局を新設するとともに国家安全保障戦略を作りました。この文書が作られた2013年の日本の問題は、北朝鮮の核開発とミサイル、そして軍事力を増強している中国でした。また、一度ロシアの脅威は下がったと思われていましたが、ウクライナ問題を見ると、ロシアの帝国主義的な本質は変わっていないと見直されたようです。日本が対処すべきは、この3カ国になりました。
日本の安全保障における最重要課題は、中国にどう対処していくかです。NATOは、ロシアと中国が組んで行動を起こすと大変だと認識していて、ヨーロッパとしてもインド太平洋が重要な地域になっています。ついては、そこの中心的な仲間の国である日本との連携を強めようという流れになっているのです。
日本は今後、3カ国に対応する戦略を実践する、具体的な手段が必要になってきます。その手段は、もちろん防衛装備です。しかし防衛装備を3カ国に向けるとなると、当然、量も増え、お金も掛かります。安保3文書の改定時には、同時に予算編成が行われるため、この防衛に関わる大きな話を詰めながら、何とか答えを出していくというプロセスに入っていくでしょう。
現在5兆円ほどの防衛費は、GDPの1%の枠にほぼ収まっています。それを2%に上げようという声が、安倍さんをはじめ自民党の中から出ています。岸田さんは、2%にすると明言はしていませんが、バイデンさん来日の際、相当額を増やすと発言しました。GDPの2%ということは、10兆円です。これを自民党は5年以内に実現したいと考えていますが、そのためには毎年1兆円ずつ増やす必要があります。
財政健全化の課題
もう1つ、政府の支出の中で大きいものが社会保障費です。後期高齢者になると医療費が上がると経験的に言われていますが、各世代の中でもボリュームが大きい団塊の世代が75歳以上になると、医療費は跳ね上がるでしょう。最低でも年間5,000億円増えると考えられています。この5,000億円を捻出するのも厳しいですが、防衛費の年間1兆円がプラスされるとなると、従来の編成では予算が組めません。安倍派は国債発行で対応しようと考えているようです。
安倍さんの『1万円札は20円で刷れる』という発言からも読み取れるように、彼らは自国の通貨で発行、国債、運営している国家は、多額の借金をしても破綻しないという、現代貨幣理論に基づいた考えを持っているようです。しかし、諸外国では日本の国債は信用を失いつつあり、外国人が国債を買わなくなってきました。そのため、利率を高く設定しないと買ってもらえず、金利は上がっていきます。日本はすでに1,400兆円もの借金があるため、0.5%でも金利が上がると、毎年の返済分が増え、防衛費や社会保障費に跳ね返ってきます。これらの問題解決に向け動き出さなければ、日本の経済政策もより良く回らないでしょう。このことは、かなり難易度の高い課題です。
広島サミットは成功するか
2023年5月の広島サミット開催が決定しました。岸田さんは、核軍縮に対する思い入れがとても強いと思いますが、一方で国際情勢が険悪になり、ロシアや北朝鮮のように核攻撃をちらつかせる国があります。そこにはアメリカの力を借りなくてはならないという部分があるため、核軍縮と、目の前にある脅威への対処の両立が難しくなるのです。広島にG7の首脳が揃っても、核なき世界という理想についてまともな声明文が作れないとなると、日本は大恥をかきます。ここも岸田さんの勝負どころでしょう。世界に対して核軍縮のメッセージを発信することができれば、G7は成功し、岸田さん自身の評価も上がると思います。2024年の9月にある自民党総裁選で再選を目指している岸田さんが、G7広島サミットの成功を踏み台にして、解散総選挙に打って出て、そこで自民党がある程度勝てば、総裁選は無投票でいけるだろうという皮算用をしても、全く不思議ではありません。
自民党の派閥および支持構造
岸田さんの現在の支持構造は、2021年の総裁選の支持構造が残っているため、岸田派、麻生派、茂木派の主流3派です。麻生派は、河野太郎さんが出ているため、必ずしも岸田さん支持ではありませんでしたが、源流をたどれば岸田さん率いる宏池会と近い派閥です。茂木派は、竹下登さんの平成研究会で、宏池会と平成研は以前より手を組んでいます。反面、安倍派である清和会と、この宏池会・平成研は、対立関係にあります。
それ以外の第三者的な派閥が、二階派などです。菅グループは派閥ではありませんが、菅さんにも20から30人ほどの若手がいますので、いずれ派閥にしたいのかもしれません。このような状態のまま安倍さんが亡くなられたので、おそらく岸田政権の支持構造は、少し流動的になっているでしょう。
自民党では、物の考え方として、リベラルか保守かということがよく言われます。主流3派は、どちらかというとリベラル系統の派閥で、安倍さんの清和会は保守派です。リベラルは個人を重視する考え方で、保守は伝統や地域などを大事にする考え方です。特に保守派はリベラルを政敵のように扱いますが、リベラルと保守というのは、どちらかを追い落とし、どちらかが生き残るという関係ではないと思っています。
安倍後継を狙う人たち
安倍さんの後継を狙う人の中で、最も野心あるのは西村康稔さんです。下村博文さんや衛藤征士郎さんも後継を狙っているでしょう。しかし、この3人は派閥内で人望が極めて乏しく、本人の意欲はあっても、代表になる可能性はほとんどないでしょう。
ほかには、安倍さんの側近として知られている萩生田光一さんです。政治家として老成してきたと評判が高まっていますが、当選回数が5回ということで、少し目方が足りないと感じます。
弁護士出身の稲田朋美さんは、安倍さんと似た歴史観を持っていましたが、この2年ほどで路線がかなり変わり、LGBT尊重の活動に意欲的に取り組んでいます。保守派はLGBT尊重を否定するため、彼女が清和会を継ぐことはないでしょう。
松野博一さんは、最も人望があり、派閥のまとめ役ができるとしたらこの方だと思います。しかし現在の岸田政権で、彼は安倍派との連絡役であり、岸田政権のキーパーソンです。彼が岸田さんの下を離れて派閥に戻るのは岸田政権にとってもマイナスですし、松野さんもそのようなことはしないのではないかと思います。
元総理大臣の祖父と父を持つ福田達夫さんは、若手からの信頼も厚いのですが、当選回数が4回と少し目方が足りない印象です。年齢や当選回数を飛ばして、トップを目指すということがあってもいいかもしれませんが、今の自民党に、そのような雰囲気はありません。
安倍さんの銃撃事件の影響は、岸田さんにとって2つの意味合いがあると思います。自民党の最大勢力である安倍派は、右派であるため、岸田さんとは少し色合いが異なります。その巨大な勢力のシンボルが不在になった今、安倍派が分裂する可能性があります。岸田さんにとっては目の上のたんこぶのような存在だった力が相対的に弱まるため、党内掌握力が増すという、岸田さんにプラスのシナリオでもあります。
一方で、安倍さんの再評価という動きが既に出ています。現役時代には、安倍さんを評価する声ばかりではなく、批判もスキャンダルもありました。ですから、安倍時代を歴史的に確定させるには、時間と冷静な判断が必要です。しかし、あまりに事件が衝撃的で、なおかつ外国からの反応が多くありました。これまでの日本の政治家で、これだけ外国の首脳から弔意が届くことはなかったため、安倍さんを神格化するような動きにつながったのではないでしょうか。そうすると、亡くなったにも関わらず、安倍さんをキリスト教の威光のようにして、右派が増長していく可能性があり、岸田内閣の政権運営にとって圧迫要因になりかねないでしょう。
銃撃事件から見えてくるもの
過去にも政治家の襲撃事件はありました。1960年、野党の社会党党首である浅沼稲次郎さんは、日比谷公会堂で少年にナイフで刺されて亡くなりましたし、1921年には、岩手出身の総理大臣である原敬さんも、銃撃により亡くなっています。原さんは現職の総理大臣でしたから、政界への影響の大きさからすると、安倍さん銃撃事件は、この原敬事件に匹敵するでしょう。
山上容疑者の旧統一教会の話や新事実が判明してくると、2019年の京都アニメーション放火事件と類似性があるように思い始めました。実行犯が徹底的に孤独感に陥り、その孤独感の中で妄想だけを膨らませ、怨念を募らせて関係のない大勢を巻き込んで殺害した事件とのほうが、共通点が浮かんでくるように感じたのです。
また、世界平和統一家庭連合と、安倍さんの祖父である岸信介さんとの関係も多く報道されました。1960年代、共産主義の活動を防止する目的で、勝共連合という統一教会系の政治団体が生まれ、そこに岸さんがかなり後押しをしました。その流れの中で、歴代の安倍派、清和会の幹部たちが、勝共連合との関係を長年続けてきたという事実があります。安倍さんは、当初あまり積極的ではなかったという話も聞きますが、2021年9月に、旧統一教会の関連団体へ、あなた方は家族を大切にするという、特に大切なことをされているというビデオメッセージを寄せたのです。こういう連綿とした歴史を考えると、全く政治性がないかというと、そうではないところがあります。勝共連合および統一教会と自民党というテーマで今回の事件を切ると、また別の評価が出てくるのかもしれません。
質疑応答
男性A 「安倍さんが亡くなり、現総理に国葬にしないのかと電話をした議員は、どなたですか?」
古賀氏 「それは分かりません。」
男性A 「分からないということで済ませていいのでしょうか?」
古賀氏 「それは岸田さんが言わないと判明しないと思います。」
男性A 「岸田総理が電話を受け、法制上の手段を考えれば可能だと話したそうですが、その議員は誰なのでしょうか。」
古賀氏 「隠しているわけではなく、私は知りません。8日の夕方に安倍さんが亡くなり、規模の大きさを考えると国葬の可能性もあると思ったため、9日の夜に岸田さんの最側近の高官に、国葬にするのか聞きました。そのときは全く考えていない様子でした。産経新聞が一面トップで、国葬にすべきだという意見が政界から出ていると書いた時期から動き始めたと思っています。ですから岸田さんは、最初は国葬という考えは全くなかったけれど、自民党の安倍派の人たちから突き上げがあり、やるべきだと思ったのでしょう。また外国の関心が高かったこともあり、国葬にして多くの首脳が来日すると、首脳外交ができるという自分のメリットも1つの判断基準になったのではないでしょうか。ですから、特定の人から国葬にしろと言われて決めたとは考えていません。」
男性A 「のちのちこれで良かったのかというのも、あるかもしれないですね。」
古賀氏 「そうですね。国葬問題で言うと、現在、国葬に反対すると明確に表明しているのは共産党だけで、ほかは明言していません。国葬に反対すると批判を受けるのではないかと思い、黙っているのでしょう。維新の会の松井さんが、反対ではないが賛成する人ばかりではないと発言しましたが、彼のあのひと言はよく言えたと思いました。国葬問題はデリケートなテーマだと思います。」
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開催スケジュール SCHEDULE
2024年12月21日 開催
崖っぷちのSDGsを救えるか~若者たちの挑戦に学ぶ~
- 日時
- 2024年12月21日[開始時刻]15:00[開始時刻]14:30
- 会場
- 毎日江﨑ビル9F 江﨑ホール
- WEB配信
- WEB配信あり
2024年カリキュラム CURRICULUM
タイトル 講師
01/13新春!日本の政治展望前田浩智 氏
02/24ロシアはどこへ行くのか大木俊治 氏
03/013月は休講となります。
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04/06現地で6年半暮らした元エルサレム特派員が語るイスラエル・パレスチナ紛争の本質大治朋子 氏
05/18日韓関係の改善は本物なのか澤田克己 氏
06/15宗教と政治を考える坂口裕彦 氏
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この30年を振り返りながら澤圭一郎 氏
10/26毎年恒例!数独の世界
『数独国際大会の裏側』
『「数独の凡」脱出-続編』【数独協会】森西亨太 氏 / 後藤好文 氏
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